フランスの田舎で暮らす

土野繁樹の歴史散歩

2017-01-01から1年間の記事一覧

マクロン大統領の実像 救国の人か蜃気楼か

フランス大統領エマニュエル・マクロン Washington Post エマニュエル・マクロンは半年前、第二次世界大戦以来、政権を担ってきた左右の既成政党を打ち破り、フランス史上、ナポレオンに次ぐ若いリーダーになった。1年前に、彼が大統領選に立候補したとき、…

歴史探訪 その18 米中関係の行方 トランプvs習近平

ツキディデスの罠? Wikipedia 北京再訪 筆者は、先日、37年ぶりに北京を訪れた。1980年の北京は人民服と自転車の灰色の世界だったが、高層ビルと車が溢れるカラフルな近代都市に大変貌していた。なにせ、1980年の中国のGDPは世界の2%で、今ではアメリカの1…

歴史探訪 その17 天安門事件③

中国国家博物館 Sim Chi Yin for The New York Times 1989年6月4日の朝、人民解放軍が学生と市民を虐殺したとのニュースを聞いた、ペリー・リンクは(『天安門文書』の監修者、プリンストン大学名誉教授)自転車に飛び乗り、友人である方励之夫妻のアパート…

歴史探訪 その16 天安門事件②

人民解放軍の戦車に対峙する「無名の反逆者」 長安街 1989・6・5 Jeff Widener AP 1989年6月3日、北京市内に入った戒厳部隊と学生・市民の間に最初の衝突が起こった。軍の兵士を待ち受けていたのは、学生と市民の頑強な抵抗だった。市内のいたる所で軍の車両…

歴史探訪 その15 天安門事件1989 ①

天安門広場の大抗議集会 1989年5月30日 Wikipedia 筆者がはじめて北京を訪れたのは1980年春だった。北京空港はがらんとしてほとんど乗降客はおらず、壁には社会主義リアリズムの労働者賛歌の巨大な絵画がかかっていた。街を行き来する人々はほとんど人民服で…